■ 競争戦略とは
M・ポーターは「競争戦略とは、業界内で防衛可能な地位をつくり、5つの競争要因にうまく対処し、企業の投資収益を大きくするための、攻撃的または防衛的アクションである」としています。(「競争の戦略」)
T・レビットは、企業経営とは「顧客の獲得と維持」と述べました。このレビットの考えに従えば、競争で勝利するということは、顧客に支持されることと言ってもよいでしょう。顧客の支持を得ることにより、はじめて企業は競合に比較して優れた業績を上げることができるというわけです。
|
■ 3つの基本戦略
|
M・ポーターは、5つの競争要因に対処し、他社に打ち勝つための戦略として、次の3つの基本戦略を提示しました。すなわち、コスト・リーダーシップ、差別化、集中(コスト・集中と差別化・集中)の3つです。
|
| <3つの基本戦略> |
|
|
■ コスト・リーダーシップ
|
コスト・リーダーシップ戦略は、広い市場をターゲットとして、競合よりも低いコスト、そして低い価格を実現することにより、顧客の支持を獲得しようとする戦略です。
低コスト体質を築き上げることができれば、他社と同じ価格でも他社以上に収益を生むことが可能になります。それは、他社が価格引き下げ競争を仕掛けてきたとしても、こちらには迎え撃つ余裕があることを意味しています。それ以外にも、低コストは参入障壁としても機能しますし、代替品の脅威にもある程度対応を可能にしてくれます。
価格は顧客にとって最も明確な判断基準を提供するものです。しかし、単に価格が安ければそれで顧客に支持されるかといえばそうではありません。競合と同程度の品質の製品やサービスを競合より低価格で提供するか、少なくとも競合との品質の差以上に価格の差をつけることで、顧客は価値を感じてくれます。
|
■ 差別化
|
M・ポーターは、差別化を「業界の中でも特異だと見られる何かを創造すること」と表現しています。
簡単に言えば、他社との違いということです。具体的には、ブランドイメージや技術力、品質の違いということになりますが、大事なことは、その違いが「顧客にとって意味のある違い」である必要があることです。
差別化戦略とは、広い市場で競合他社との違いを打ち出して、顧客の支持を獲得しようとする戦略です。
ただし、M・ポーターも述べているとおり、差別化戦略といえどもコストを無視してよいということではありません。差別化戦略においては、コストが第一の戦略目標ではないということです。
|
■ 集中
集中戦略とは、特定のセグメントに集中し、そのセグメントにおいてコスト・リーダーシップまたは差別化を図る戦略です。
コスト・リーダーシップや差別化が広い市場をターゲットとしているのに対し、集中戦略は特定のセグメントという狭い市場をターゲットにしている点で異なります。
|
この三つの基本戦略は、あまりにも抽象的過ぎるとの批判もありますが、自社がどこに軸足を置くべきかを考える上では有益な考え方を提供していると思われます。
なお、M・ポーターは、三つの基本戦略のうち「二つ以上を主目標にしてうまくゆくこともあるが、これが可能になることはまれである」としていますが、現在では差別化を長期間維持することは難しくなってきていますので、差別化と同時にコスト面での優位も確立する必要があるでしょう。
|
ページのトップへ戻る
HOMEへ
|