■ マネジメントシステムとは
ISO9000「品質マネジメントシステム-基本及び用語」では、「マネジメントシステム」を「方針及び目標を定め、その目標を達成するためのシステム」と定義しています。
もう少し簡単に言うと「マネジメント」とは「PDCAサイクル」を回すこと、「システム」とは「仕組み」のことです。すなわち、「マネジメントシステム」とは「P・D・C・Aサイクルを回す仕組み」のことと考えればよいでしょう。
そのように考えれば、「マネジメントシステム」はまさに経営の基盤であり、どの企業にとっても必要なものであることが分かります。
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■ マネジメントシステムモデル
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ISO9001では次のようなマネジメントシステムのモデルが提示されています。
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| <マネジメントシステムモデル> |
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| 「対訳 ISO9001:2000」を元に作成 |
■経営者の責任
経営者には、「顧客重視」についてのコミットメントが求められます。それは、事業活動は「顧客の獲得と維持」によってのみ維持できることを考えれば容易に理解できると思われます。全ての出発点は「顧客」にあります。経営者の役割は、「顧客満足の設計」にあるといってもよいでしょう。
■資源管理
顧客の欲求やニーズに応えるためには、「人、物、金、情報」などの「経営資源」を投入しなければなりません。したがって、それらの「経営資源」をいかにして調達し、管理するかを計画し、実行することが求められます。
■製品実現
具体的な顧客のニーズに基づいて製品やサービスを提供するためには、製品を作ったりサービスを行なうプロセスを管理しなければなりません。プロセスを適切に管理して初めて、顧客に満足していただける製品やサービスの提供が可能となります。
■測定・分析・改善
顧客の欲求やニーズを把握して、その欲求やニーズに即した製品やサービスを提供するところまでは、「仮説」の設定と実行に過ぎません。それだけでは「仮説」が正しいかどうかは分かりません。「仮説」が正しいかどうかの「検証」は、測定し、分析することで可能になります。そして、「改善したければ測定しろ」という言葉があるように、それによって初めて改善が可能になります。
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■ マネジメントシステムの8原則
ISO9000及びISO9004では、品質マネジメントシステムの原則を八つに整理しています。頭に「品質」とありますが、マネジメントシステム一般に共通するものと考えて差しつかえないと思います。
■顧客重視
事業の目的は、顧客に対して何らかの便益を提供することですから、顧客なしでビジネスが成立することはありません。「顧客の獲得と維持」によってのみ事業活動の継続が可能になります。したがって、顧客の欲求やニーズを理解し、顧客に満足していただけるように努力していかなければなりません。
■リーダーシップ
リーダーとは「リードする人」のこと、すなわち、目的・目標を定め、その目的・目標に到達すべく部下等を導いていく人のことです。リーダーは、かつてチャンドラーが「組織は戦略に従う」と述べたように、目的・目標を達成できるように組織を編成し、従業員が十分に参画できる内部環境を創り、維持しなければなりません。
■人々の参画
コトラーは「成功のためには戦略と実践の両方が必要だ」と述べていますが、いくら見事な計画でも実践が伴わなければ計画が実現されることはありません。そして、計画を実現するのは従業員です。従業員の参画なくして計画の実現は不可能です。計画段階から従業員を参画させると、よりよい結果が期待できます。
■プロセスアプローチ
プロセスとは「インプット→処理→アウトプット」というフローで表される活動のことです。通常、一つのプロセスには複数の部門が関連していますが、いわゆる縦割りの管理では効率的に効果を上げることは困難です。部門横断的に、活動や資源を一つのプロセスとして管理することによって、望む結果を効率的に得ることができます。
■マネジメントへのシステムアプローチ
システムとは「独立した夫々の要素が相互に関連し、影響しあって共通の目的に向かって働くもの」です。したがって、システムの構成要素がばらばらであってはいけません。マネジメントシステムにおいては、その構成要素である各プロセスを一つのシステムとして管理することによって、目的・目標を効率よく達成しようとします。プロセスアプローチを「部分最適」、システムアプローチを「全体最適」と呼んでもよいかもしれません。
■継続的改善
企業が存続していくためには、P・D・C・Aサイクルを常に回し続けて、パフォーマンスを継続的に改善していくことが求められます。「ビジネスは下りのエスカレータに乗っているようなもの」とはよく言われることです。立ち止まれば、落ちていくだけです。
■意思決定への事実に基づくアプローチ
効果的な意思決定は、事実に基づいて行なう必要があります。前提とすべき事実が異なれば、意思決定も異なります。
■供給者との互恵関係
自社だけでは改善にも限界があるかもしれません。優れた供給業者は、単に部品などを供給するにとどまらず、有益なアイデアを提案してくれます。供給業者との互恵関係があれば、よりよい価値の創造が可能になります。
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「マネジメントシステム」を構築することと、ISOの認証を取得することとは同じではありません。
「マネジメントシステム」はどのような組織にも必要です。それがなければ「経営」できないと言ってもよいでしょう。少なくとも「有効性」や「効率性」において劣ることは間違いありません。したがって、「マネジメントシステム」がない企業は早急にそれを構築する必要があります。ただし、それはISOの認証を取得することとは別問題です。ISOの認証を取得するか否かは、そのメリット、デメリットを比較検討して意思決定すべきものです。
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