■ 戦略の3Cとは
孫子に「彼れを知りて己を知れば、百戦して殆(あや)うからず。彼れを知らずして己を知れば、一勝一負す。彼れを知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆うし。」という有名な言葉があります。
3Cとは、Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの視点から戦略を構想する、まさに「彼れ(顧客と競合)を知り、己(自社)を知る」ためのフレームワークということができます。3Cを図解すると、次のように三角形で表すことができます。
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この3つのCはビジネスの基本です。
ビジネスはお客様のニーズや欲求に応え、その求める便益を提供することで成り立ちます。お客様を無視しては成り立ちません。
また、ビジネスには競争が伴います。その競争はお客様のニーズに対していかによりよく適合するかの競争です。そのニーズ適合の競争でお客様の支持を得られなければ、市場から退場するしかありません。
そして、よりよいニーズ適合を実現してお客様から支持を得るためには、お客様にとって意味のある違いを打ち出す必要があります。すなわち、差別化ですが、差別化を実現するためには自社の強みを活かさなければなりません。 |
■ Customer(顧客)を知る
P・F・ドラッカーは、「事業の目的は顧客の創造である。買わないことを選択できる第三者が喜んで自らの購買力と交換してくれるものを供給することである。」と述べています。
ビジネスは顧客の支持を得る競争です。顧客の支持を得るためには、顧客を知り、どの様な顧客ニーズにフォーカスするかを選択しなければなりません。言い換えれば、どの市場を選択するかを決定すること、市場セグメントを絞り込むことです。
顧客のニーズを把握するためには、「消費者の欲求のうち今日の財やサービスで満たされていない欲求は何か」(P・F・ドラッカー)を問うてみることが大事です。
また、セオドア・レビットが「消費者は4分の1径のドリルを買いたいのではない。彼らがほしいのは4分の1径の穴である。」と述べたように、あくまで消費者が求める「便益」に焦点を当てて考えることが大事です。
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■ Competitor(競合)を知る
ビジネスには競争が伴います。自社の製品やサービスをいかに改善したとしても、競合がそれ以上のものを打ち出せば、顧客からの支持は失われてしまいます。したがって、競合にも目を配る必要があるのです。
「競合を意識しない企業などありえない」と思われるかもしれませんが、「競合はどこか」の質問に正しく答えられる企業は意外と少ないものです。ほとんどの企業は、自社と同じ土俵で戦ってきた相手、例えば、同じ業種、同じ業態の企業、あるいは同じ製品・サービスを提供している企業を思い浮かべるでしょう。しかし、消費者が受ける「便益」に焦点を当てて見たらどうでしょう。ぐんと範囲が広がるはずです。
競合が明確になったら、競合の強みや弱みを分析し、いかなる差別化を実現するかを構想します。ただし、この場合も「顧客」の存在を忘れてはいけません。例えば、競合との機能競争に明け暮れた結果、多くの「顧客」が使いこなせないような製品が世の中には氾濫しています。これでは意味がありません。あくまで「お客様にとって意味のある違い」が求められるのです。
なお、競合を知るためには、M・ポーターの「5FORCES(5つの競争要因分析)」のフレームワークも有効です。
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■ Company(自社)を知る
3Cの最後はCompany(自社)を知ることです。自社を知るということは、自社の経営資源を分析して、その強みや弱みを知るということです。SWOT分析のSW分析ですね。
経営資源とは、一般に「ヒト、モノ、カネ、情報」と呼ばれるものですが、差別化の源泉は経営資源にあるのですから、しっかりと理解することが必要です。
経営資源の分析は、バリューチェーンに沿って行なうのがよいと思いますが、その評価にあたっては単なる感覚ではなく、経済的な価値を生み出すか否かを基準にするとよいでしょう。できれば、VRIO分析の手法を用いることをお勧めします。VRIOとは、Value(価値)、Rarity(希少性)、Imitability(模倣可能性)、Organizations(組織力)の4つの頭文字を並べたものです。すなわち、その経営資源は経済的な価値を生み出すか、競合他社が保有していないものか、模倣しようとすれば簡単に模倣できるものか、そして組織はその経営資源を活かせるようになっているか、を問うものです。もし、経済的な価値を生み出し、競合他社が保有せず、模倣が困難で、それを活かせる組織力があるとするならば、その経営資源は持続的な競争優位の源泉になると考えることができます。
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