■ トヨタ式5W1Hとは
普通「5W1H」といえば、「Why(なぜ)、Who(誰が)、What(何を)、When(いつ)、Where(どこで)、How(どのようにして)」の頭文字のことですが、「トヨタ式5W1H」は「Why(なぜ)、Why(なぜ)、Why(なぜ)、Why(なぜ)、Why(なぜ)、How(どのようにして)」の頭文字のことです。
すなわち「なぜ」を5回繰り返して、本当の原因(真因)を究明し、真因に対応した対策を考える問題解決の道具なのです。(5つの「why」と1つの「How」)
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■ トヨタ式5W1Hの例
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トヨタ生産方式の生みの親といわれる大野耐一氏は、その著書「トヨタ生産方式」で、「なぜ」を5回繰り返すことの重要性を、機械が止まった場合を例にとって説明しています。
次の表は、その説明を基に「トヨタ式5W1H」の考え方をまとめてみたものです。
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| <トヨタ式5W1Hの例> |
| WHY |
Because |
How |
| @ なぜ機械が止まったのか |
オーバーロードがかかってヒューズが切れたから |
ヒューズを交換する |
| A なぜオーバーロードがかかったか |
軸受け部の潤滑が不十分だったから |
潤滑油をさす |
| B なぜ十分に潤滑しないのか |
潤滑ポンプの軸が磨耗して汲み上げが不十分だったから |
ポンプの軸を取り替える |
| C なぜ磨耗したのか |
切粉が入っていたから |
切粉を掃除する |
| D なぜ切粉が入ったのか |
濾過器がついていないから |
濾過器をつける |
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まず、第一の「Why」では、その原因(「Because」)としてオーバーロードがかかってヒューズが切れたことが挙げられています。それに対する対策(「How」)は、ヒューズの交換です。
しかし、この原因にはさらに「なぜオーバーロードがかかったのか」という原因を問うことができます。すなわち第二の「Why」です。
同じようにして、原因の原因を追究していきます。すなわち、第三、第四の「Why」を問い、それに答えていきます。そうして五番目の「Why」に答えて初めて、「濾過器がついていない」という「真因」にたどり着きます。「真因」にたどり着いて初めて恒久的な対策(「How」)が可能になるわけです。
もし、最初の「Why」で終わっていたとしたらどうでしょう。多分しょっちゅうヒューズの交換に迫られていたことでしょう。同じように、第二、第三、第四の「Why」に答えて対策を立てたとしても、それは応急的な対策に止まってしまいます。第五の「Why」に答え、「真因」を究明し、「真因」を取り除く対策(「濾過器をつける」)を実施してこそ、「切粉が入らない」⇒「潤滑ポンプの軸が磨耗しない」⇒「潤滑が十分になる」⇒「オーバーロードがかからない」⇒「ヒューズが切れない」⇒「機械が止まらない」という結果が得られるわけです。
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■ トヨタ式5W1Hの定着化
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大野耐一氏は「トヨタ生産方式も、実をいうと、トヨタマンの五回の『なぜ』を繰り返す、科学的接近の態度の累積と展開によってつくり上げられてきたといってよい。五回の『なぜ』を自問自答することによって、ものごとの因果関係とか、その裏にひそむ本当の原因を突きとめることができる。」と述べています。(「トヨタ生産方式」)
「トヨタ式5W1H」は問題解決に大きな威力を発揮します。しかし、それを時々思い出したようにやってみるだけではどうでしょうか。こういったツールというものは何でもそうですが、使いこなすには訓練が必要です。どの企業でも経験があると思いますが、ある現象に対してその原因を問うと、単なる現象の言い換えに終わってしまうことがあります。「トヨタ生産方式」が「科学的接近の態度の累積と展開」によってつくり上げられたように、「なぜ」を繰り返すことが組織文化といえるほど定着して初めて、本当の効果が現れるのです。
ケプナー&トリゴーも、「効果を上げ、将来とも上げ続けていこうとするなら、この概念の継続的、日常的、共有的な使い方を継続的にやる必要があるし、組織はそうなるように仕向けなければならない。」と述べています。これは「K・Tプログラム」について述べたことですが、「K・Tプログラム」のみならず、「トヨタ式5W1H」についても、その他のツールについてもそのまま当てはまります。
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